●救急車はどこ?「在所確認サイレン」

 自動車を運転していて、どこからか「ピ〜ポ〜ピ〜ポ〜」と救急車のサイレン音。

 サイレン音は聞こえているが、どこから来ているのかわからない。後ろから来ているのであれば道をゆずらないといけないし、交差点の横から来ているのかも。ましては高架道路の下などを走っている時などはなおさらで、赤色灯の光が見えてはじめてわかった。

 これは一般車のドライバーにとってはたびたび経験する事ですが、これが緊急車に進路をゆずる動作の遅れにつながり、緊急車にとっては現場到着の遅れや、あるいは緊急車と一般車の衝突事故のような深刻な事態を招くおそれがあります。

 この場合、サイレンの音は聞こえているのだから、いくらサイレンの音を大きくしても緊急車の在所確認については効果があまり見込めません。

 この問題は日本だけではなく諸外国でも注目されており、サイレンや警報音の在所確認について、神経物理学や音響心理学など、様々な面から研究されていますが、このたび、イギリスの大学と開発会社でまさにこの技術が確立され、「在所確認警報音」が完成しました。これは、人間の耳や脳、神経が処理する音源位置認識の能力と、警報音の周波数成分を綿密に研究されたもので、その効果も各種シュミレーションテストや路上トライアルで評価されています。

 大阪サイレンでは、この「在所確認警報音」の電子サイレンへの取り込みを研究しています。これにより一般車のドライバーや歩行者が緊急車の在所をより早く認識でき、安全を確保できると同時に、緊急車の進路確保がより円滑に行えることにより、現場到着に要する時間を大幅に短縮することができるものを期待されています。
 
       
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